歴史をの「見かた」が変わる講演を2連続で聴きました

日記

猛暑日とギックリ腰を足しても「ここへ行きたい」の欲望が抑えられず、のこのこと出かけてきました。東京大学薬学部総合研究棟です。

本郷のキャンパスで樹木の偉大さを感じる

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都営地下鉄大江戸線の本郷三丁目駅4番出口から、東大の敷地まではまぁなんとかたどり着けたものの、広いね、東京大学本郷キャンパス。眩しくて画面が良く見えないスマホのGoogleマップだけをたよりに、会場付近までは辿り着きました。

午後2時近くは気温が一番高い時間帯ということで、日陰を探しながらの移動です。樹木が作ってくれる木陰は馬鹿にできません。建物の陰よりも、明るくて涼しい。葉からの蒸散活動のおかげかな?体感温度も「すがすがしさ」も全然違うなと感じました。

内部温度上昇でアプリが起動できなくなったスマホを片手に、ようやくたどり着いた「それっぽい建物」安堵と共に張り紙に視線を移すと、ソリャないぜなお知らせが。【教訓】たとえGoogle先生が5分で到着と予想をしても、20分は見込みましょう。

滑り込みセーフで着席し、スカイツリーが良く見える会議室で、素敵な講演を聴く体勢を整えました。

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幸運にも、座った席の正面の窓からはスカイツリーがバッチリ見えます。

今はもう完成してしまったので「おぉ、スカイツリーだ」で終わりますが、これが建設中だったら気が散ってしょうがないあっただろうなぁと、少し羨ましい気持ちで眺めました。

日本薬史学会柴田フォーラムって?

日本薬史学会とは

「日本薬史学会」は、薬に関する歴史の研究が日本の薬学の進歩発展に大きな貢献をすることを目的にしています。

日本薬史学会公式ホームページ(http://yakushi.umin.jp/about/index.html

東京大学名誉教授、故朝比奈泰彦先生を初代会長として、1954(昭和29)年に創立された学会です。  1966(昭和41)年より学会誌『薬史学雑誌』を発刊し、わが国の多くの薬史学研究の成果が掲載されてきました。最近では学会誌として質量ともに充実し、これらの論文で学位を取得された方もおられます。

日本薬史学会公式ホームページ(http://yakushi.umin.jp/about/index.html

2023年現在創立69年の歴史を持つ、由緒正しき学会。何事にも「今日に至るまでの道のりと積み重ね」があったわけですが、日頃は特に意識せず先端技術の恩恵に預かっています。が、やはり、そこまでの道のりを多面的に記録し分析することは非常に重要であると、今回の講演会で再認識しました。

柴田フォーラム

文明開化の頃、日本の薬学の発展や薬剤師の地位向上などに尽力し多大なる功績を残した「柴田承桂」の名を関したフォーラム(集団で意見交換などを行うための集まり)…だと、思いました。
学会のホームページだけでは(全くの門外漢である私には)よくわからなくて(滝汗
後ほど、幹事の船山先生に質問してみようと思っています。

柴田承桂については、久恒先生のBlogに記事がありますので、そちらをご覧ください。
https://note.com/hisatune/n/n377b77d7add9

プログラム

挨拶と講師紹介          船山信次(柴田フォーラム委員長)
柴田承桂とその周辺        小曽戸洋先生(東京薬科大学特命教授など)
薬史学における図解思考のすすめ  久恒啓一先生(多摩大学名誉教授など)

船山先生から「久恒先生の講演がありますよ」と、ご連絡をいただき、場違いかも…と思いつつも好奇心には勝てませんでした。

柴田承桂とその周辺

気付くとテレビのバラエティー番組でも、芸能人の家系を辿ったり、「発祥の地」の紹介をテーマにしたものが増えているような。ある意味、大人になって社会の荒波でもまれた後の方が『分かりみが深い』となっているのかも。

日本薬科大学がいつできたのか、なんて考えたことも無いくらい、生まれたときには官公庁も大学も研究機関も、当たり前にこの国で稼働していて、成果を挙げている。そんなイメージです。どんなものごとにも始まりがあり、たいていの創始者は並大抵ではない苦労をしながら「民のために」その人生を賭してきたのですよね。2個くらい前の大河ドラマの主人公(のモチーフとなった)、渋沢栄一翁もその一人でした。この柴田承桂先生も、同時代に強烈な仕事をこなし、その後の薬学の発展の礎になった偉人です。(講演で初めて知りました)

どんな成功者にも、両親や祖父母、兄弟、そして恩師や友人とのかかわりと、時流の「何か」があって出会ったり、離れたり、時には世界に影響を与えたり…と、幾重にも重なる人間ドラマがあることは、忘れがちではないでしょうか?

 

小曽戸洋先生のご講演では、これまで埋もれていたり、スルーされてきた資料を整理することの大切さと面白さを存分に語られていました。また、史料の大切さと管理に付いてくる大変さの一端をお話いただき、IT系好きの私や友人達の経験やスキルが連携できたらなぁと、妄想していました。

史料整理をするITプロジェクトに混ざりたいです。

図解

久恒先生の講義は何度も受けてきましたが、「一般向けの講演」は1,2度しか聞いたことがありませんでした。12年前、大学院の科目履修生としてお世話になったときも、毎回のお話がとても楽しみだったのですが、今回のお話はもっともっと面白くて、すっかり聞き入ってしまいました。

「多摩地区の鳥観図」が衝撃的に面白かったです。写真では決して伝わらない情報を、無理なく誤解なく、何よりも楽しく美しく伝える方法として、真似してみたいと思いました。

70歳を過ぎてなおトークスキルの向上に余念がない久恒先生。書籍、講演、インタビューにと引っ張りだこなのも納得過ぎて、私のHPはエンプティーです。

ご講演中に何枚も投影されたスライドの図解も、私が通っていた時代より進化を重ねていることがよくわかりました。ごめんなさいごめんなさいごめんなさいと思いつつ、また、図解に戻ろうと思いました。

写真やイラストがコミュニケーションツールとして簡単に使える時代になったので、『図解』ももっと広まるべきだと強く思いました。

雑感

フォーラムのあと、久恒先生と都築先生と3人で居酒屋さんへ繰り出しました。

伊豆の鮮魚がウリのお店。この夏、諸々でタイミングが合わず行けなかった伊豆下田の海鮮をこんなところで味わえるなんて♪美味しくて、楽しくて、素敵な反省会でした(笑)

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地下鉄大江戸線 本郷三丁目駅すぐそばのお店です。

関連リンク

日本薬史学会 https://plaza.umin.ac.jp/yakushi/

久恒啓一先生Blog  https://k-hisatune.hatenablog.com/
久恒啓一先生 公式サイト https://www.hisatune.net/

船山信次先生 インタビュー https://nordson-web.jp/interview/1016/

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